

大切なのはテーマと表現力
「アート」と聞くと
自分の中の感覚的な何かを
表さなければならない、と
考えてしまう方は多くいます。
初心者の方ほど
その傾向があるな-と思います。
きっと、多くの人は
「ピカソやマチスといった
有名なアーティスト達の絵の
何がすごいのか分からないけれども
多分感情やパッションを
描いているのだろう」と
考えるからなのかもしれませんね。
でも実際には
自分の感情のままに絵を描くプロの画家は
私の周りには少ない印象です。
感情よりも
よりコンセプチュアルに
自分の作品と向きあっている作家が多いです。
アートにおいて
大切なのは
「テーマと表現力」なんですね。
素朴な動機ではじめの一歩
デッサンは
表現力を底から支える手技
そして、自分を育てるメソッドだと
私は考えています。
どういうことでしょうか?
nas.artsに来られる方の多くは
アートに初めて触れます。
入会時に皆さん仰るのは
「別に自分の中にある何かを
表現したい訳ではないんです。
ただ、絵が描けるようになりたくて
基礎を学びたいんです」
という言葉。
これ、とても良くわかるな-と思うのです。
これが描きたい!という
強い思いはないけれど
ただ目の前にあるモチーフを
スッと描けたらいいな
初めの一歩は
これで十分です。
最初は苦行?
デッサンは
実に多くのことを
私たちに教えてくれます。
デッサンには沢山の要素があり
それらを駆使することで
描写が完成するからです。
鉛筆の色だけで
固有色を描きわけたり
パースをつかって
紙の上に3次元空間を
生みださなければなりません。
そのためにはデッサンの主な要素
色や形、質感や空間を理解し
尚且つ
いま自分はどこまで描けているかを
客観的に判断することが求められます。
こうやって文章にするだけで
なんか大変そう…
もはや苦行…
最初はそう思うかもしれません。
なぜなら
うまく描きたいのに
ぜんぜん描けないダメな自分を
嫌というほど思い知らされるから。
私も最初は逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。
「なんで描けないの?
どうすれば描けるの?
先生にきいても、描き方を教えてくれないし
どうすりゃいいんだ…」と
上手い人と自分を比べて
へこんで腐る日々でした。
でも、ある時
ネガティブなことを考えず
ただ淡々とモチーフを観察し
その観察通りに紙に描くこと、を
無思考に繰り返していました。
そうして気づいたら
いい感じのデッサンが
目の前にあったんです。
今までに自分が描いたことがない
リアルな描写が目の前にありました。
どうやって描いたか
自分でも不思議なぐらい
よく覚えてないんです。
今まで散々
私の頭の中で騒がしかったのは
あれやこれやダメ出しをしてくる
自分自身の思考だったんですね。
自分の思考を手放してからは
ずいぶん描くのが楽しくなりました。
描けない、描けないと
嘆く自分を横に置いて
まずはまっさらな頭で
目の前のモチーフと向き合う。
それが
デッサン上達の秘訣だと思っています。
わたしがデッサンは
自分を育てるメソッドだと
書いた理由はここにあります。
描く環境と仲間がいる
最初の方で書いた
アートに大切な「テーマと表現力」
初心者の方はまだ
はっきりとしたテーマを
持っていなくてもいいかなと
私は考えています。
もちろん、確固としたテーマを
すでに持っていて
それに邁進することは
素敵なこと。
そういう方には
どんどん自分の世界観を
表現してほしいと思っています。
片や「まずは基本を」と
望まれる方には
デッサンはいいメソッドだと思います。
モノを描き分けられることや
自分の内なる声をうまく制御して
制作のモチベーションを保つ訓練は
手業以上に
アーティストストを支える
重要な柱となり得るからです。
デッサンは、すぐには上達しません。
ただ、必ず誰もが描けるようになります。
そのための空間と仲間が
nas.arts にはあります。
気になる方は
ぜひお問合せください。
デッサン描けるようになると
楽しいですよ。