キャンバスの白い部分の構造についてざっくり説明

キャンバスの白い部分の構造についてざっくり説明

キャンバスの白い部分の構造
普段ほどんど気にすることはないかもしれませんね
しかしこのキャンバス地、実は
絵画の仕上がりに直結することもあり
なかなか深い部分でもあります。
今回は、キャンバス地について
ざっくり説明していきたいと思います。

キャンバス = 布 + 前膠 + 地塗り層


地塗り層とは、簡単に言うと
画材屋さんで売られている
キャンバスの「白い部分」です。

「ん?白い部分だけなの?」
と思った方もいるかもしれません。

そもそもキャンバスとは
丈夫で厚手の平織り生地のこと
語源はラテン語の「カナビス」だそうで
帆布と言えば馴染みがあるでしょうか
トートバッグやスニーカーなどに
使われているあの布の類です。
絵画用には麻が使われることが多く
画布(がふ)と呼ばれています。

画材屋さんで売られているキャンバスには
布と絵を絶縁する役割の「前膠」
と呼ばれる目止めが施されていて
その上に地塗り層が塗られています。

この前膠のおかげで
柔らかい布がカチッと平坦に固まって
油絵の具や溶剤から
布が守られているわけです。

キャンバス=布 + 前膠 + 地塗り層
という階層になっているのですね

水性下地(白亜地)について

前膠の上に地塗り層があります。

地塗り層には
水性地・油性地・エマルジョン地
の3種類あって
自分でつくることができます。

私が普段つくる下地は水性地(白亜地)で
兎膠と体質顔料、チタン白を使用します。

画像はそれらの材料で
兎膠を水にふやかしているところ

白亜地をつくる分量は
仕上がりごとに少しづつ変わりますが
一般的に多い分量は
膠水:ムードン:チタン白と水が1:1:0.5 ほど

地塗り層は
乾燥した季節に作業したいので
私は冬に作業することが多いです
またその時
白亜地のつくり方の作業を
詳しくお伝えしますね。



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