日常の生活の中に、自分の絵を置くと、なぜ絵が上達するのか

スケッチを部屋に飾る

描き終わった直後は、なかなか客観的に自分の絵をみることが難しいもの。「思うように描けなかった」とか「最高傑作が描けた!」など、描いた直後は自分の感情にひっぱられやすくなっていますよね。それに、描いているときは画面に顔を近づけていますが、時間が経って、日常生活の中で自分の絵がちらちらと視野に入ることが多くなると、描いた直後には見えてこなかった絵の細部や、全体のバランスが見えてきます。「ここが暗すぎたな」「もう少し余白がほしかった」「最高だと思ったけど、もう少し描き込めたかな」など、色々な気づきが起きてくるものです。

実はこの気づきこそ、次の一枚に活きる手がかりとなるのです。日々の生活の中に、自分の絵を置くことは、いちばん手軽な自己添削なんですね。それに、自分の絵が部屋にあると、単純にうれしい。この「うれしい」という気持ちが、続ける力になります。

額を使わない、気軽な飾り方

パネルやドローイングを壁に飾る

「いきなり額はハードルが高い」という方は、額なしでも、絵はじゅうぶん素敵に飾れます。スケッチブックを開いて置く。小さなイーゼルに立てて棚に置く。どれも数百円から試せて、気分で入れ替えられるのが魅力です。また、水張りしたパネルなら、画鋲二つで簡単に壁にもかけられます。

まずはこの気軽な方法で「日常の中に自分の絵がある習慣」をつくり、お気に入りの一枚が決まったら額装する、そんな順番で十分です。

額の基本を知ろう

額装するマットや絵

自分で気に入った絵を描けたら、額に飾ってみましょう。
額を選ぶときに知っておきたい基本は、次の三つです。

まず「額の種類」。
大きく分けて「木製額」「アルミ額」「箱額(ボックスフレーム)」があります。
鉛筆デッサンや水彩なら、まずは木製かアルミの薄めの額が合わせやすいでしょう。

次に「サイズ」。
作品のサイズに合った額を選ぶために、サイズを測っておきましょう。
ミリ単位で測っておくと、額屋さんで適正なものを選びやすくなります。

そして「マット」。
マットとは、作品と額の間に入れる厚紙のことです。
このマットこそ、素人っぽさとプロっぽさを分ける最大のポイント。
余白があると作品がぐっと引き締まり、絵にスペースが生まれます。迷ったら、少し広めの白いマットを選んでおけば失敗しません。

オーダーメイドした額装は見栄えも最高

パネルやドローイングを壁に飾る

自信作ができたら是非トライしてもらいたいのが、額装のオーダーメイドです。額の要素として、額縁、サイズ、マット、この全てを自分の絵にぴったりマッチさせるオーダーメイドの額装は大変おすすめです。

額縁ひとつで絵の見え方がガラッと変わってしまうほど、実は額装選びは大切な作品の一部なんですね。額縁の幅や色、質感。作品に対して余白をどのぐらいのサイズにするか。マットは使うか、使わないか。先ほどはマットを使う前提で説明しましたが、使わない方法もオーダーメイドでは可能です。マットを使わないことで、紙の四隅までを作品として際立たせる見せ方もできます。

私の場合、額装するものはほぼ全て、オーダーメイドをしています。
長野市内にも素敵な額屋さんがあって、nas.artsに通われる方にこのお店を紹介しています。

飾る場所の選び方

額が決まったら、次は飾る場所です。最初はこれだけ意識してみてください。

光の当たり方 ※重要
直射日光が長時間あたる場所は、絵が退色してしまいます。やわらかい間接光の入る明るい壁が理想です。

壁とのバランス。
大きな壁に小さな一枚だと寂しく見えたりすることも。
壁のどこに飾るかも絵の印象を左右します。

高さ。
意外と高さも絵の見栄えに深く関わっています。「絵の中心が、自分の目線よりやや下にくる位置に飾るといい」とはよく言われますが下にしたり、上にしたり、いろいろな位置を試してみて、自分にフィットする場所を探してみましょう。しばらく飾ってみて、「なんか低いなあ」と感じたら、高くすればいいのです。

絵を描くことは、見ることから始まっている

あなたの一枚も、しまい込むにはもったいない。まずは今日、スケッチブックから一枚選んで、壁に立てかけてみませんか。自分の絵を愛でてあげると、確実に上達していくことでしょう。